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Voices展によせて
目まぐるしく過ごしていたある時期に、身体を壊したことがありました。
その時に、じわりじわりと回復していく経過を目の当たりにしながら、
自分の身体が意志とは別の独自の主体性をもって生きようとしていることに気づき、静かに感動したのを憶えています。
そのことをきっかけとして、身体が内に秘めている本音というものを意識すると同時に、
それらの声をずっと無視してきたことを顧みるようになりました。
そしてその声は、目に映るあらゆるものに息づいているようにも感じたのでした。
私たちが言葉を発する手前には、沈黙にも似た声があって、
もしかするとそれは万物が発する命の振動のようなものなのかも知れません。
そういった、名付けられないまま消えてしまう営みをこそ、写真を通して再び見つめたいと思いました。
本展を観て下さる方々、それぞれの内なる声との対話の場となって頂ければと願っています。
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